【ニューヨーク=蔭山道子】高級皮革製品の製造販売を手掛ける米コーチが28日発表した1~3月期決算は、純利益が前年同期比54%減の8800万ドル(約105億円)だった。売上高は15%減の9億2900万ドル。売り上げの過半を稼ぐ北米事業が不振だったうえ、海外事業でドル高も収益を圧迫した。
北米事業の売上高は24%減った。2014年10~12月期(20%減)と比べて売り上げ減少に拍車がかかった。値引き販売の頻度を減らしたことが主因。不採算店舗の閉鎖を進めたことも売り上げ減少の一因となった。海外事業の売り上げは3%減だったが、為替変動の影響を除くと4%増だった。
同社は「中間所得層でも手が届くぜいたく品」という位置づけで成長した。だが顧客層が重なる後発ブランドとの競争が激しくなるにつれて苦戦するようになった。近年は収益回復とブランド・イメージの向上を目指して、値引き販売の抑制や店舗のてこ入れなどを進めている。