【バクー（アゼルバイジャン東部）＝中村亮】アジア開発銀行（ＡＤＢ）の年次総会が２日、アゼルバイジャンの首都バクーで開幕した。中尾武彦総裁は記者会見で、金立群・中国元財政次官との１日の会談で、中国主導のアジアインフラ投資銀行（ＡＩＩＢ）と協調融資する場合は人権や環境保護といった国際基準を守ることで一致したことを明らかにした。ＡＤＢが求めていた条件が満たされて、ＡＩＩＢの創設後に協調融資することが事実上固まった。

金氏はＡＩＩＢの初代総裁に就任する見通し。中尾氏は会見でＡＩＩＢと協調することで「多くの相乗効果がある」と述べた。

中尾総裁は基金改革で2017年から融資枠を200億ドルと現在の1.5倍に増やすことも正式表明した。一方、融資枠をさらに増やすために「増資の可能性をあきらめていない」と述べて、今後検討していく考えを示した。