新型コロナウイルスの拡散がもたらす様々な試練を前に、東アジア諸国は連携して新たな未来と向き合い、地域協力に新たな弾みをつけ、地域統合の制度的協力の水準を高めなければならない。(文:蘇浩・外交学院戦略と平和研究センター長。環球時報掲載)
新型コロナウイルスへの対応策を協議するASEANと中日韓(10+3)の首脳による特別会議が14日に開催された。東アジア諸国にとってこれは危機をチャンスに変え、協力を強化する重要な多国間行動だった。この会議で各国首脳は共同対策への強い意欲と集団行動に関する具体的提言を強調しただけでなく、より重要なことに域内の社会的・経済的活力を回復するために連携して努力する意向を示した。
特に重視すべきは、最後に「特別会議共同声明」を発表したことだ。過去23年間の「10+3」首脳会議で「共同声明」が発表されたのは3回のみであり、いずれも重要な時期において将来の東アジア協力の戦略方向を確定するために発表された重要文書だ。今回東アジア諸国が感染症への共同対策と経済回復のために共同声明を発表したことに、非常に重要な意義があることが分かる。共同声明からは各国が共同の有効な感染防止・抑制に着眼しただけでなく、将来の地域経済協力の方向も定めたことが見て取れる。
しかも今回の会議は協力推進の実行可能な措置も打ち出した。これには以下が含まれる。(1)メカニズムの役割を発揮する。各国はASEAN+3の枠組下の関係分野のメカニズムにおいて、資金を調達し、地域の予防・検査、感染対策を強化することを決意した。(2)能力を構築する。各国と地域の感染症対策能力を構築し、感染症学の研究能力訓練を行い、公衆衛生分野の人的資源と能力構築をサポートする。(3)金融面の手配をしっかりと行う。東アジアの一連の協力基金及び地域銀行から資金を調達し、共に感染症に対処し、経済的活力を回復する。(4)サプライチェーンの整備を強化する。パンデミック後の回復、経済発展の促進に共に尽力する。地域のサプライチェーンの強靭性と持続可能性を強化する。(5)経済的活力を維持するために便宜を図る。社会・経済回復のために努力する各種人員の域内での移動のために便宜を図る。(6)各国外相に対し、措置実行の「調整役」として、関係分野のメカニズムの緊密な協力を確保するよう求める。
これらは東アジア協力が一段と強化されたこと、すなわち制度的整備を際立たせ、能力整備を重視し、協力を金融面から保障し、地域の供給チェーンと産業チェーンの基盤を固めることを示している。
新型コロナウイルス感染症という重大な試練、経済回復という共通の試練を前に、危機をチャンスに変え、東アジア協力を強化する新たなチャンスにしなければならない。各国の実務協力を通じて、物資供給の制度整備を推進し、金融産業の制度的協力を実現し、最終的には命がつながり運命を共にする地域共同体を構築する。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年4月20日