現金を持ち歩かなくても買い物の支払いが手軽にできる電子マネー。支払額に応じて買い物などに使えるポイントが付く利点もあり、利用者は増えている。ただ電子マネーは種類が多く、どれを使ったらよいのか分からないという人もいるだろう。選び方や使いこなすコツをまとめた。
「小銭を探す手間が省けるし、全日本空輸(ANA)のマイルをためられる」。東京都の会社員、前田博さん(仮名、37)はコンビニでの支払いなど日常的な買い物に、楽天系の電子マネー「楽天Edy(エディ)」を主に使う。1カ月の利用額は5万円程度で、約250マイルが付く計算だ。ためたマイルは国内旅行の飛行機代に充てている。
電子マネーは専用端末でカードやアプリを搭載した携帯電話の情報を読み取る仕組み。現金をやりとりせず、クレジットカードの様にサインも必要ない。こうした手軽さが受けて、電子マネーの利用額は増えている。
野村総合研究所によると、2013年度の利用金額は約3兆2000億円と前年度と比べて約2割増えた。14年5月にKDDIが「auウォレット」で参入するなど利用者の選択肢は広がっているが、どう選べばいいのだろうか。
まず注目したいのがポイントの付与率。買い物の一定額につきもらえるポイントの割合で、付与率が高いほど有利だ。セブン&アイ・ホールディングス系の「nanaco(ナナコ)」は通常100円ごとに1ポイントが付くので、付与率は1%。200円ごとに1ポイントが付く(付与率は0.5%)電子マネーが多いのに比べると、たまりやすい。ポイントは1ポイント=1円相当としてナナコにチャージ(入金)することができる。
通常より多くポイントが付く日や店舗、商品がどれだけあるかも知っておこう。イオン系の「WAON(ワオン)」は毎月10日に対象店舗で使うと、200円ごとに5ポイントと通常の5倍、5日や15日など「5の付く日」は2倍もらえる。ナナコはセブンイレブンなどで対象商品を買うとボーナスポイントが付くほか、イトーヨーカドーでは「8の付く日」は買い物代金が5%引きになる。