【NQNニューヨーク=古江敦子】4日の米株式相場は続伸して始まった。午前9時35分時点でダウ工業株30種平均は前週末比44ドル27セント高の1万8068ドル33セント、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は同19.251ポイント高の5024.642だった。ダウ平均の上げ幅はその後100ドルを突破した。ユーロ圏の4月の製造業購買担当者景気指数(PMI)確報値が堅調さを保ち、同域の主要株価指数が上昇。中国の株式相場が上げたこともあり、運用リスクを取る動きが米市場にも及び、買いが先行した。
4月のユーロ圏PMI確報値は52と好不況の境目である50を引き続き上回り、速報値(51.9)から上昇修正された。一方、中国のPMIは48.9と約1年ぶりの低水準となった。同国政府が景気浮揚策として追加の金融緩和などに踏み切るとの観測が浮上し、株式に買い安心感が広がった。
ジョン・チェンバース最高経営責任者(CEO)が7月26日に退任すると正式に発表したネットワーク機器のシスコシステムズが上昇。後任を発表したことで買い安心感が出ている。朝方に増収増益決算と自社株買いを発表したケーブルテレビ(CATV)最大手のコムキャストが高い。人員削減を発表した化学のダウ・ケミカルは小幅に上げている。市場予想を上回る増益決算を発表した食肉のタイソン・フーズが堅調に推移。前週末の取引終了後に増益決算を発表した米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハザウェイにも買いが先行。
一方、外食のマクドナルドが下落。経営立て直しに向けたリストラ策を発表したが、好感する買いは現時点で乏しい。航空機のボーイングやクレジットカードのビザも下げている。