三井不動産(8801)は11日、2016年3月期の連結純利益が前期比7%増の1070億円になる見通しだと発表した。新たに複数の商業施設の開業を予定する賃貸事業が引き続き全体をけん引する。アナリスト予想の平均であるQUICKコンセンサス(27日時点、16社)の998億円を上回り、過去最高益を更新する見込み。年間配当は前期比3円増の28円を予定している。
売上高は5%増の1兆6100億円、営業利益は5%増の1950億円を見込む。いずれも過去最高を更新する。賃貸事業では「ららぽーと富士見」などの商業施設を新規開業するほか、前期に竣工した「飯田橋グラン・ブルーム」などの通期稼働が収益を押し上げる。分譲事業も投資家向けが引き続き伸び、セグメント全体での増収増益を見込む。
同日記者会見した佐藤雅敏・常務執行役員は、足元におけるマンションの販売戸数について「(売り上げ予定の)マンション4500戸のうち、80%くらいはすでに契約済み。今期の売り上げになるマンションについては好調だ」と話した。戸建ての売り上げは800戸を予定している。
併せて発表した15年3月期の連結決算は、売上高が前の期比1%増の1兆5290億円、営業利益が8%増の1860億円、純利益が30%増の1001億円だった。いずれも過去最高を更新した。分譲事業で個人向け住宅の利益率が上昇したほか、投資家向けも伸びた。年間配当は前の期比3円増の25円としている。〔日経QUICKニュース(NQN)〕