【サンパウロ=宮本英威】フランスのオランド大統領は10日夜、キューバの首都ハバナに到着した。仏大統領がキューバを訪問するのは初めて。11日にはフィデル・カストロ前国家評議会議長(88)と会談し、同日夕方(日本時間12日午前)にはラウル・カストロ国家評議会議長(83)との首脳会談が予定されている。
オランド氏は11日にハバナ大学で講演し「キューバの発展を阻害してきた施策が終わることを望む」と述べた。米国による経済封鎖の一段の解除への期待を示した格好だ。
オランド氏の訪問には大手企業の幹部が同行しており、経済関係の強化を狙っている。航空大手エールフランスKLM、ホテルチェーン大手アコール、蒸留酒大手ペルノ・リカールなどで、観光分野での事業拡大を模索する企業が目立つ。
フランスは経済関係の強化を目指す一方で、米国と同様、人権状況の改善を求めていく方針だ。オランド氏は「人権問題についても話す。政治犯が収容され、自由が侵されていれば、フランスは口を閉ざすことはできない」と述べている。同氏は、昨年12月にキューバと米国が国交正常化の方針を示して以降、キューバを訪問した欧米で初の首脳となった。