【ニューヨーク=高橋里奈】米東部フィラデルフィアで起きた全米鉄道旅客公社(アムトラック)の列車脱線事故で、米運輸安全委員会(NTSB)は13日、列車が現場のカーブに進入した速度は、制限速度の2倍以上の時速106マイル(約170キロ)だったと発表した。速度超過でカーブを曲がりきれず、脱線した疑いが強まっている。
死者は1人増えて7人、負傷者も200人以上になった。
13日、米東部フィラデルフィアの列車脱線事故現場に到着した米運輸安全委員会(NTSB)のメンバーら(NTSB提供)=ゲッティ共同
ワシントンからニューヨークに向かうアムトラックの188便は12日午後9時半ごろ、フィラデルフィア北部のカーブで全8両が脱線した。NTSBが運行記録データを解析したところ、事故列車はカーブ通過時の制限速度(時速50マイル)の2倍以上の時速106マイルで走行していたという。
さらに現場のカーブには、列車の速度を自動的に制限速度以下に制御する自動列車制御装置などがなかった。NTSBは今後、アムトラックの関係者らから事情聴取するなど事故原因の解明を進める。
事故現場の付近では1943年にも79人が死亡、117人が負傷する列車事故が起きている。
アムトラックの北東部路線は全米有数の大動脈で、米メディアによると年間約1200万人が利用する。事故後、ニューヨーク―フィラデルフィア間は運行を停止している。