塩崎恭久厚生労働相は15日の閣議後の記者会見で、月100時間超の違法な残業を繰り返す大企業の社名を公表する方針を示した。1年間に3つ以上の事業所で是正勧告を受けた企業が対象となる。18日に全国の労働局長に指示する。従業員に過酷な労働を強いる「ブラック企業」を厳しく監視する。
社名を公表するのは複数の都道府県に事業所があり、サービス業なら従業員100人以下といった中小企業の要件にあてはまらない会社だ。残業時間が月100時間を超え、労働時間や残業代が法律に違反している長時間労働を取り締まる。
違法な残業が10人以上または全体の4分の1以上の従業員に認められる事業所が、1年以内に3カ所以上見つかった場合に是正を勧告し、その時点で社名を公表する。
これまでは違法な長時間労働を繰り返している企業にも、まず労働基準監督署が是正勧告や改善指導を行い、それでも改善しない悪質なケースのみ書類送検して社名を公表していた。塩崎厚労相は会見で「社名を公表されることを考えれば、企業の行動は変わってくる」と述べた。