1971年の世界卓球選手権大会で選手同士の交流が始まり、米中関係正常化などのきっかけとなった「ピンポン外交」を後世に伝えようと、愛知県は大会の舞台となった愛知県体育館(名古屋市中区)に記念碑を設置した。19日には除幕式があり、約100人の参列者が完成を祝った。
中国の程永華駐日大使は「関係改善のきっかけをつくった人を私たちはいつまでも忘れない」と強調。「日中関係はここ数年難しい時期もあったが、今後も交流を盛んにしたい」と述べた。在名古屋米領事館のスティーブン・コバチーチ首席領事は「日米中の関係再構築がここで始まった。本当に素晴らしいことだった」と話した。
記念碑は縦3メートル、横7メートルの陶製で、ピンポン球の軌跡を描き、対話を表現。三つの半球に日米中の国旗をあしらい、漢字と英語で「平和」「友好」「夢」などと記されている。
大会に出場した元日本代表16人も参列。団体戦決勝で中国を破って優勝した竹内敏子さん(67)は「民間交流の大切さを感じる。これからも日中は前向きの気持ちで一歩ずつ前に進んでほしい」と語った。