サントリー食品インターナショナルは25日、日本たばこ産業(JT)の飲料自動販売機事業を買収すると発表した。缶コーヒー「ルーツ」と清涼飲料「桃の天然水」のブランドも取得する。買収額は約1500億円。業界2位サントリー食品の自販機は約63万台に増え、首位日本コカ・コーラグループ(約83万台)に近づく。
7月をメドにJTの自販機運営子会社、ジャパンビバレッジホールディングスの株式70.5%を取得する。もともとサントリー食品はジャパンビバレッジの2位株主で、82.6%を握る筆頭となる。JTは別の自販機子会社の売却とあわせて、2015年12月期の純利益は約1千億円押し上げられる。
自販機を通じた飲料売り上げは業界全体で3割程度に達するが、条件のよい場所への設置余地は限られている。JTの2子会社は26万台を運営し、オフィスビル内など収益力の高い場所に多くを設置している。買収で収益力の強化を進めるほか、総合飲料メーカーのノウハウとの融合による相乗効果を狙う。