【ワシントン=川合智之】オバマ米大統領は26日、ホワイトハウスで北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長と会談した。オバマ氏は会談後「ウクライナの支援を続ける」と述べ、2月の停戦合意を履行するようロシアや親ロシア派武装勢力に求めた。治安悪化が目立つアフガニスタンへの追加支援策を検討していくことでも一致した。
オバマ氏は記者団に「ウクライナ情勢を巡り、ロシアがますます挑発的な態度をとっていることについて議論した」とした。そのうえで、NATOが「国際安全保障の礎だ」と役割の重要性を強調した。ストルテンベルグ氏もロシアに「親ロ派の支援をやめ、ウクライナ東部からのすべての部隊の撤収を促すべきだ」と求めた。
両者はアフガニスタン支援も協議した。米などのアフガン駐留部隊は2014年末で戦闘任務を終了。アフガン治安部隊に治安権を移譲し、米軍は治安部隊の訓練を実施している。ただ現地情勢は不安定で「どのように支援を続けるか検討する」(オバマ氏)と表明した。
オバマ氏は3月にアフガンのガニ大統領と会談し、15年末までに半減する予定だった9800人の要員を年内は維持するよう方針を変更した。オバマ氏は「米だけでなくNATO加盟国すべてから資源や訓練、支援が必要だ」と述べ、NATO加盟国に支援拡大を求める可能性に言及した。
過激派組織「イスラム国」(IS=Islamic State)に対し、オバマ氏は「全28のNATO加盟国がイラクを支援する有志連合のメンバーだ」と掃討に向けた協力姿勢を強調した。ストルテンベルグ氏は「防衛費の削減を止め、(国内総生産比で)2%を目標に段階的に増やすことが重要だ」とNATO加盟国に呼びかけた。