厚生労働省が29日発表した4月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.02ポイント上昇の1.17倍と、1992年3月(1.19倍)以来23年1カ月ぶりの高い水準となった。改善は2カ月ぶりで、QUICKがまとめた市場予想(1.15倍)を上回った。景気回復を背景に雇用環境は改善している。医療・福祉のほか、訪日外国人の増加に伴って宿泊・飲食サービス業などの求人が伸びた。ただ、建設業や製造業の求人は減少した。厚労省は「生産が弱含んでいるのは懸念材料」としている。
有効求人倍率はハローワークで仕事を探す人1人に対する求人件数を示す。4月は有効求職者数が減った半面、有効求人数は医療・福祉などに新たな求人があったことで増加し、求人倍率を押し上げた。
雇用の先行指標となる新規求人倍率は0.05ポイント上昇の1.77倍と、2カ月連続で改善した。前年同月と比べた新規求人数(原数値)は0.1%増加した。業種別でみると、医療・福祉が7.7%増、生活関連サービス業、娯楽業が6.5%増、宿泊・飲食サービス業が3.6%増。一方、職業紹介や労働者派遣業を含む「サービス業(他に分類されないもの)」は7.4%減、建設業は5.3%減、製造業は0.8%減となった。
都道府県別で最も有効求人倍率が高かったのは東京都の1.67倍、最も低かったのは埼玉県の0.78倍だった。〔日経QUICKニュース(NQN)〕