総務省が29日発表した4月の完全失業率(季節調整値)は前月比0.1ポイント低下の3.3%と、1997年4月(3.2%)以来18年ぶりの低水準となった。改善は3カ月連続で、QUICKがまとめた市場予想(3.4%)を下回った。景気回復を背景に雇用環境は着実に改善している。
4月は男性の完全失業率が17年8カ月ぶりの低水準となった。加えて、勤め先や事業の都合による完全失業者や、就職せずに学校を卒業した完全失業者の数が比較可能な2002年1月以降で最も少なかった。総務省は雇用情勢について「引き続き改善傾向で推移している」とみている。
完全失業率を男女別にみると、男性が0.2ポイント低下の3.4%、女性は0.1ポイント上昇の3.2%だった。完全失業者数は219万人で2万人減少。うち勤務先の都合や定年退職など「非自発的な離職」は1万人減、「自発的な離職」は2万人減、「新たに求職」している人は2万人増。仕事を探していない「非労働力人口」は4519万人と35万人増えた。
就業者数は6338万人で前月比28万人減った。非正規社員の数(原数値)は1939万人と前年同月と比べて30万人増加した一方、正規社員は3294万人と6万人増えた。雇用者に占める非正規社員の比率は37.1%だった。〔日経QUICKニュース(NQN)〕