気象庁によると、29日午前9時59分ごろ、鹿児島県屋久島町の口永良部島の新岳で爆発的噴火が発生した。噴火に伴って火砕流が発生し、海岸まで達した。同庁は噴火警報を出し、噴火警戒レベルを現在の3(入山規制)から最も高い5(避難)に引き上げた。
噴煙を上げる口永良部島(気象庁提供)
口永良部島の人口は2011年時点で約150人。鹿児島県によると、人的被害は確認されていない。同県は午前10時すぎ、全島に島外への避難勧告を出した。
政府は同日午前、首相官邸内の危機管理センターに対策室を設けた。被害状況などの情報収集を急ぐ。関係省庁による会議も開き、対応を協議する方針だ。
気象庁によると、火口からは大量の噴煙が噴き出し、一時火口から9千メートルの高さに達した。火口周辺に噴石が飛び出していることも分かった。
同庁が2007年に警戒レベル導入後、最高の5に引き上げたのは初めて。同庁は火砕流の発生状況や詳しい噴火の規模などについて解析を進めている。
口永良部島では1980年に小規模な水蒸気爆発が発生。昨年8月3日には34年ぶりに噴火が起き、気象庁は警戒レベルを3に引き上げた。火口周辺で入山が規制されていた。
25日の気象庁の発表によると、新岳の火口から出る噴煙の量は昨年8月の噴火前と比べて多く、火山性地震も発生していた。同庁は活動が高まった状態が続いているとして、火砕流の発生などに警戒していた。