長崎県の雲仙・普賢岳で43人が犠牲になった大火砕流から24年を迎えた3日、麓の同県島原市では追悼行事が各所で催された。同市はこの日を「いのりの日」としており、遺族や関係者は慰霊の祈りをささげた。
同市仁田町の被災者向け団地の公園にある「噴火災害犠牲者追悼之碑」の前には献花台が設けられ、朝から遺族らが菊の花を手向け、静かに手を合わせた。
消防団員の夫を亡くした山下睦江さん(59)は4カ月の孫を抱いて献花。「この日が来ると当時の悲しかった気持ちがよみがえる。この教訓を次の世代へ受け継いでいってほしい」と話した。
大火砕流は1991年6月3日午後4時8分に発生した。島原市は同時刻にサイレンを鳴らし、市民らに黙とうを呼び掛ける。午後7時からは「雲仙岳災害記念館」で、地元の小学生が手作りした1000本のキャンドルをともす行事「いのりの灯(ともしび)」も予定されている。