【北京=大越匡洋】中国税関総署が8日発表した5月の貿易統計によると、米ドルベースの輸出額は前年同月比2.5%減となり、3カ月連続で前年水準を下回った。4月と比べ減少幅は縮小したものの、外需は勢いを欠き、中国景気の下振れ圧力となっている。輸入は17.6%減と2桁の減少となり、7カ月連続で前年より落ち込んだ。
5月の輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は約595億ドル(約7兆4500億円)の黒字となった。1~5月累計の輸出と輸入を合わせた貿易額は前年同期に比べ8.0%減った。中国政府が今年の貿易額の伸びの目標としている「6%前後」の実現は早くも難しい状況となっている。
主な貿易相手別にみると、1~5月の日本との貿易額は11.3%減と2桁の減少幅となった。欧州連合(EU)向けも7.2%減と、減少傾向が続いている。一方、米国向けは2.6%増と堅調を維持した。東南アジア諸国連合(ASEAN)向けは0.3%増の微増にとどまった。