藤田保健衛生大学病院(愛知県豊明市)は19日、新しい病院食の試食会を開いた。患者の症状に合わせ、出来たてを提供する新システム。実際の入院患者には21日から、提供されるという。
これまでは調理済みの食事を保温と冷却できるカートに入れ、約1500床に配膳していた。新システムでは病床フロアに設置した機器で、配膳直前に食事を加熱調理。熱風で温めることで、野菜などの食感や風味を保ち、衛生状態も高められ、調理間もない食事を提供できるという。毎食後に患者の食べ残し量を確認し、好みなども病院食の献立づくりなどに役立てる。
試食会には約30人が参加。2週間入院した経験をもつ愛知県安城市のフードコーディネーター、山本真美さん(54)は「入院中の食事は唯一の楽しみ。食材本来の味が楽しめた」と笑顔をみせた。
病院食を加熱する機器は、ホシザキ電機と共同開発。同病院の東口高志教授(外科・緩和医療学講座)は「おいしい食事は最高の治療となる。患者さんが食べたくなるような食事メニューを考えていきたい」と語った。