裁判所の令状なしに全地球測位システム(GPS)を使った捜査は違法だとして、裁判所が一部の証拠を不採用とした窃盗事件の論告求刑公判が19日、大阪地裁(長瀬敬昭裁判長)であった。弁護側は最終弁論で「令状主義を無視する重大な違法捜査があった」として公訴棄却を求めた。
検察側は論告で捜査手法に言及せず、車を盗んだとして窃盗罪などに問われた大阪府門真市の男(44)に懲役7年を求刑。判決は7月10日に言い渡される。
大阪地裁は5日の証拠採否の決定で、大阪府警が犯行グループの所在を割り出そうと乗用車など計19台の底にGPS端末を磁石で取り付けた捜査手法を「大きなプライバシー侵害を伴う」と認定。取得した位置情報に基づく検察側の証拠15点を不採用とした。