谷川会長が作った詰将棋(答えは記事の末尾にあります)
昨年4月の熊本地震からの「復興祈念対局」として14、15日に開かれる「朝日杯将棋オープン戦」の会場は、地震の避難所だった。一時は数百人が身を寄せたこの避難所では、9月の閉鎖までの間、避難者らを元気づける取り組みがひそかに続いていた。日替わりで出題される「詰将棋」だ。
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「毎朝新しい問題が出るので楽しみだった」。熊本市中央区出水2丁目の市総合体育館に約4カ月避難していた田中誠道さん(77)は振り返る。詰将棋は、相手の玉将を仕留める手順を考える問題。談話スペース近くに約90センチ四方の大盤が置かれ、将棋をたしなむ避難者や支援者らが自然と集まったという。
問題は1~15手詰め。「解けるとスカッとする。難しいと『あーでもない、こーでもない』と周りと話し合ってな」と田中さん。自宅は大規模半壊。先行きが見えない避難所生活で疲弊するなか、「将棋は元気をくれた」と話す。今は仮設住宅で暮らし、将棋仲間と盤を挟むこともある。
日本将棋連盟熊本県支部連合会長の古橋徹さん(47)が昨年4月16日の本震直後、自らの避難先で「空気を和らげたい」と考え、始めた。自宅に無傷のまま残っていた普及活動用の大盤で出題し、翌日に答えを載せた紙を添える。避難先が閉鎖し、5月中旬からは市総合体育館に移し、9月の閉鎖まで出題は140回に上った。
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