農業・食品産業技術総合研究機構(茨城県つくば市)は24日までに、ニホングリの在来品種が京都、大阪、兵庫の3府県が接する丹波地域から全国に伝わったとするこれまでの説が正しかったことを裏付けたと発表した。
農研機構によると、文献上で、最古の栽培記録を持つ産地は丹波地域で、江戸時代以降に優良なニホングリが丹波地域から全国に持ち運ばれて、栽培が広がったと考えられていた。
この仮説を実証しようと、在来品種60種のDNAを解析し樹形図や親子関係を整理。遺伝的に近いグループをまとめたところ、丹波地域の品種を中心とした集団と、それ以外の地域の集団に分かれた。また、神奈川、岐阜、山口、熊本、大分の5地域の品種は丹波地域の伝統的な品種が親であることも判明した。
一方で、丹波地域の品種の中にも、他の地域由来の遺伝的構造を持つものがあった。
西尾聡悟研究員は「いくつかの品種は地方から丹波に入ったと推測されるが、主要な流れとしては、丹波地域から他地域へ運ばれた。これまでの説は正しかった」と話している。〔共同〕