【ニューヨーク=稲井創一】米ユナイテッド航空は26日、ブラジル第3位のアズール航空の株式5%を1億ドル(約120億円)で取得すると発表した。ブラジルの提携先だったTAM航空が再編によって別の航空連合に移ったため、新たな提携相手を確保する。ブラジルの国内線を中心にコードシェア便を展開する。
ユナイテッドは役員一人をアズールに派遣する。ユナイテッドの南米路線を利用した乗客に対して、アズールのブラジル国内便を接続便として利用できるようにする。アズールは北米やカリブ諸国のユナイテッド便をコードシェア便に設定し、自社の顧客の渡航先を増やす。
航空連合スターアライアンスに属するユナイテッドは長年、同グループのTAMと提携していた。ただ、2010年にチリのラン航空に買収され、ワン・ワールド陣営に奪われた。
ブラジル2位のゴル航空も11年に米デルタ航空による出資の受け入れを決めたため、スター陣営は成長市場の南米で足場をなくした。今回の提携は全日本空輸など他のスター陣営の航空会社にもアズールとの提携の道を開きそうだ。
アズールはポルトガル語で「青」を意味する。米大手航空ジェットブルーの創業者デビッド・ニールマンが08年に設立した。後発ながらも低価格と質の高いサービスを両立する事業を展開し、ブラジル国内を中心にTAMやゴル航空と激しいシェア争いを展開している。