29日午前の東京外国為替市場で円相場は続伸して始まったあと、伸び悩んでいる。10時時点は1ドル=122円95~98銭近辺と、前週末17時時点に比べ41銭の円高・ドル安だった。ギリシャ政府と欧州連合(EU)などの債権団の話し合いが不調に終わり、朝方は対ユーロでの円買いが優勢だった。9時すぎに日銀の黒田東彦総裁が28日の国際決済銀行(BIS)年次総会のパネルディスカッションで「(物価上昇率2%達成への)シナリオに対するリスクは看過できない」と述べたと伝わり、追加緩和への期待から円売り・ドル買いが膨らんだ。10時過ぎには123円台前半を付けた。
10時前の中値決済については、月末で輸出企業が海外での利益を円に戻す動きが強まっていることから「ややドル余剰」(国内銀行)との観測があった。
円は対ユーロで続伸して始まったあと、上げ幅を縮小している。10時時点では1ユーロ=135円51~54銭近辺と同2円71銭の円高・ユーロ安になっている。対ドルでの円売りがユーロ相場にも波及し、対ユーロでも円が売られている。
ユーロは対ドルで下落したあと、やや下げ幅を縮小した。10時時点では1ユーロ=1.1020~23ドル近辺と同0.0184ドルのユーロ安・ドル高で推移している。〔日経QUICKニュース(NQN)〕