【ウィーン=共同】イラン核問題の包括解決に向けた欧米など6カ国とイランの協議は6日、各国の外相らが再びウィーンに集まって交渉を再開した。期限の7日までの最終合意を目指す。対立が複数の課題にわたるため難航が予想され、双方は譲歩か、さらなる交渉延長かの決断を迫られる。
主な争点は、核兵器開発疑惑が持たれているイラン国内の軍事施設への査察を認めるかどうかや、ウラン濃縮に使う遠心分離機の研究開発をどこまで制限するかなど。
欧米側はイランの核兵器所有に至るすべてのルートを遮断するため、厳しい査察や研究開発の制限を要求。イラン側は核拡散防止条約(NPT)の他の加盟国と比べて厳しい条件は受け入れないとして、対立している。
5日にウィーン入りした欧州連合(EU)のモゲリーニ外交安全保障上級代表は、さらなる期限延長は考えていないとし「今こそ決断をすべきときだ」と強調。ケリー米国務長官は5日、「(イラン側が)かたくなに妥協を拒むのなら、交渉の席を去る」と述べた。
一方で、一部の交渉関係者からは短期間の延長は受け入れるとの声も出ている。