6日の日経平均株価は427円安となり、下落率は韓国、香港市場と並ぶ大きさになった。上海株の低迷で中国人の持つ金融資産が目減りし、訪日観光客の「インバウンド消費」が細るとの懸念が強まったからだ。
市場が最も心配するのが「株安が中国人の消費に与える悪影響」(JPモルガン・アセット・マネジメントの重見吉徳氏)だ。日本にとって中国は米国に次ぐ輸出先。さらに日本は2015年に入り、中国からの訪日観光客(インバウンド)が急増していた。
第一生命経済研究所のリポートによると、日本に来た中国人観光客の旅行支出は1人当たり約25万円。訪日外国人全体の平均(約14万円)を大きく上回る。こうした中国人の「爆買い」は百貨店などの売り上げ増に貢献し、日本株の買い材料にもなっていた。
株高は消費拡大に一役買っていたとみられ、相場急落で中国人の消費意欲が減退する恐れがある。日本のインバウンド銘柄への期待も剥落しかねない。