12日の東京金融市場は、トランプ次期米大統領の記者会見を受けて、円高・株安が進んだ。東京外国為替市場の円相場は一時1ドル=114円台まで円高が進み、日経平均株価は一時290円超値下がりする場面もあった。
トランプ氏が経済政策の具体的な中身に言及しなかった失望感から、11日のニューヨーク市場で対ドルの円相場は、一時1ドル=114円25銭まで円高が進んだ。東京市場でも円買いドル売りが続き、午後1時時点の対ドルは前日午後5時より1円61銭円高ドル安の1ドル=114円43~44銭。
円高を受けて東京株式市場では輸出株などに売り注文が膨らんだ。午後1時時点の日経平均は、前日終値より282円27銭安い1万9082円40銭。東京証券取引所第1部全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)は同20・87ポイント低い1529・53。日経平均の午前の終値は、同171円91銭(0・89%)安い1万9192円76銭。TOPIXは同11・92ポイント(0・77%)低い1538・48。出来高は9億3千万株。
「トランプ氏が日本との貿易赤字を問題視したことで貿易摩擦への懸念が強まり、売りが広がった」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘氏)との指摘もあった。トランプ氏が薬の価格が高いことを批判したことを受け、製薬企業株も下落した。