【NQNニューヨーク=川内資子】14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比69ドル15セント(0.4%)高の1万7477ドル40セントで終えた。中国による事実上の通貨切り下げを受けた世界的な株安が一服し、投資家が運用リスクを取って株式を買う動きが優勢となった。
7月の卸売物価指数(PPI)が前月比で上昇し、同月の鉱工業生産指数も市場予想以上に伸びた。米景気が順調に回復しているとの見方から、機械や金融関連など業績が景気動向に左右されやすい銘柄を中心に買い戻しが入った。
朝方は世界経済の減速への根強い懸念から買いを見送る投資家が目立ったが、午後にかけて相場は上げ幅を広げた。
ナスダック総合株価指数は反発し、同14.677ポイント(0.3%)高の5048.235で終えた。
業種別S&P500種株価指数では全10種のうち「エネルギー」を除く9種が上昇。「公益事業」や「金融」、「資本財・サービス」の上昇が目立った。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約6億7000万株(速報値)、ナスダック市場(同)は約14億5000万株だった。
JPモルガン証券が投資判断を引き上げた化学のデュポンが上昇。金融子会社の一部銀行業務の売却を発表したゼネラル・エレクトリック(GE)も上げた。四半期決算で売上高が市場予想を上回った百貨店のJCペニーや同業のノードストロームが好決算を材料に買われた。
一方、大幅減益決算を発表した携帯電話向けゲーム開発のキング・デジタル・エンターテインメントが急落。石油のエクソンモービルや通信のベライゾン・コミュニケーションズ、映画・娯楽のウォルト・ディズニーが売られた。