大阪府寝屋川市の中学1年、平田奈津美さん(13)が殺害され、友人の星野凌斗さん(12)が遺体で見つかった事件で、星野さんの遺体は死亡したとされる13日から数日内に、同府柏原市の発見現場に遺棄されたとみられることが24日、捜査関係者への取材で分かった。発見まで長期間、屋外に放置されていた可能性が高いという。
府警高槻署捜査本部は平田さんの死体遺棄容疑で逮捕された山田浩二容疑者(45)が、星野さんの遺体遺棄にも関与した疑いがあるとみており、防犯カメラ映像を分析するなどして、13日以降の同容疑者の詳しい行動について調べている。
府警は司法解剖で、星野さんが13日ごろ死亡したと推定。21日に見つかった遺体は損傷が激しく、捜査関係者によると、遺体や発見された現場の状況から、発見される1週間程度前に遺棄された可能性が高いという。
遺棄現場は柏原市青谷の畑から竹林に数メートル入った位置で、星野さんの体の上には草が覆いかぶさっていた。畑に出入りする付近に住む女性(76)によると、女性は16~20日、遺棄現場の近くを数回歩いたが「遺体の存在などに気付かなかった」と話している。府警は遺体を遺棄した人物が、事件の発覚を逃れるため草で覆ったとみている。
山田容疑者については21日午後、現場の竹林に立ち寄った様子を追跡していた捜査員が見ており、周辺を捜索して星野さんの遺体を発見した。この際、同容疑者は手に何も持っていなかったといい、府警は遺体の状況を確認するために訪れたとの見方を強めている。
一方、平田さんの遺体が発見される約1時間前の13日午後10時23分ごろ、同府枚方市のガソリンスタンドを訪れた山田容疑者とみられる男が、手袋をしていたことも店の防犯カメラ映像から判明した。平田さんと星野さんの遺体や、2人の遺体に巻かれていた粘着テープからは鮮明な指紋は検出されておらず、府警は手袋をした人物が遺体を運んだ可能性があるとみている。
府警によると、山田容疑者は平田さんの死体遺棄容疑について「同乗者が車から出して遺棄した」と否認。捜査関係者によると、21日の逮捕直後は取り調べに応じていたが、現在は黙秘に近い状態だという。