環境破壊や貧困といった地球規模の課題を考える「持続可能な開発のための教育」(ESD)を充実させるため、文部科学省は2016年度から実践校への支援を広げる。国際社会で活躍する人材を育てるのが目的。16年度予算の概算要求に約3億円の関連事業費を盛り込んだ。
全国に約900ある実践校の中から重点校を選び、他の学校との交流や教材作りに必要な費用などを補助する。小中高校の教員向けに指導の手引を作って研修を手厚くし、活動事例を広く紹介することで、実践校の拡大にも力を入れる。
学校と大学、企業をつなぎ活動の幅を広げるコーディネーターの配置など、従来の支援も継続する。
ESDは国連教育科学文化機関(ユネスコ)が推進し、国内ではユネスコスクールに指定された公立小中学校を中心に、総合学習の時間などで取り入れられている。成績評価はしないが、文科省は「学習意欲や思考力、判断力の向上に効果がみられる」としている。〔共同〕