日本触媒がつくる高吸水性樹脂=写真右。100~1千倍の水を吸い取れる=写真左(同社提供)
化学メーカーの日本触媒(大阪市)が主力品事業の立て直しに乗り出した。紙おむつで使う吸水素材だが、競合品が増えて利益が出しづらくなっている。製造原価を下げるための工程見直しを進めるという。
4月1日付で社長に就く五嶋祐治朗常務が21日に会見し、「規模だけではなく、収益性を考えて取り組む。当面は7%以上の営業利益率を目指すが、あるべき姿は10%と考えている」などと語った。もともとは利益率が高かったが、現在は一般的な化学品と変わらない5%前後まで落ち込んでいるという。
五嶋氏は、2020年度に全体の経常利益を500億円にするなどの長期目標を、就任後に引き下げる考えも明らかにした。
昨年10月、社内にプロジェクトチームをつくり、改革に着手したという。古くて効率が悪い生産設備を改修し、新たなつくり方を開発するほか、顧客先への輸送方法を工夫するなどして、数年かけて製造原価を下げる考えだ。(伊沢友之)