【ベルリン=共同】ウクライナ東部の紛争収拾を目指すロシア、ウクライナ、ドイツ、フランス各国の外相会談が12日、ベルリンで開かれた。親ロシア派支配地域への大幅な自治権付与など、2月の和平合意の履行をめぐり、親ロ派の後ろ盾であるロシアと、ウクライナとの対立が解けず議論は平行線をたどった。年末の和平合意の履行期限を控え、ロシアと欧米の攻防は重要な局面を迎えた。
ドイツのシュタインマイヤー外相は会談後、前線では停戦が約2週間維持され、兵器撤去をさらに進めることで合意したと明らかにした。紛争解決の入り口である武力衝突の回避では一定の成果があったが、政治決着をめぐっては具体的進展がなかったとみられる。同外相は「状況がいかにもろいかを今日の会談は示した」と語った。
ロシアのラブロフ外相は会談で、親ロ派支配地域の自治権を拡大するウクライナ憲法修正に関し、ウクライナ政権に親ロ派との直接協議を要求。ウクライナのクリムキン外相は会談後、記者団に協議に入る可能性を明確に否定した。
ラブロフ氏によれば、会談では和平合意履行の期限延長を提起した。ウクライナやドイツ、フランスの反応は明らかでない。欧米は和平合意が破綻すればロシアに科している制裁を拡大する構え。ロシアは期限延長によって合意の枠組みを維持し、経済制裁緩和の糸口を探る思惑とみられる。
4カ国は10月2日、パリでウクライナ情勢をめぐり首脳会談を開く。親ロ派は10月後半から11月にかけ、独自の市町村選挙を強行する構えだ。ウクライナ政権はこれらの選挙を和平合意の原則に反すると批判しており、自治権拡大をめぐる問題とともに、首脳会談に向けた主要な争点となる。