16日午後5時半すぎ、埼玉県熊谷市石原の住宅に刃物を持って侵入したとみられるペルー人の男が2階から転落し、埼玉県警の捜査員が身柄を確保した。住宅では女性と小学生の少女2人が刺され、死亡が確認された。約1時間前には約100メートル離れた住宅の浴室でも布にくるまれた女性の遺体が見つかった。県警は、男が14日に同市内で夫婦が死亡した事件にも関与し、計6人を殺害した疑いがあるとみて全容解明を目指す。
県警によると、男は30歳のペルー人。夫婦殺害事件の前日、警察署に任意同行されたが、姿を消したという。男は頭を骨折して意識不明となっており、県警は回復を待って取り調べる。
16日に死亡した4人は無職の白石和代さん(84)、無職の加藤美和子さん(41)、娘の小学5年の美咲さん(10)、小学2年の春花さん(7)とみられ、県警は確認を急ぐ。母娘3人とみられる遺体はクローゼットの中から見つかった。
県警によると、約1.5キロ離れた熊谷市見晴町で14日に無職の田崎稔さん(55)と妻の美佐枝さん(53)が刺殺された現場と、白石さん宅にあった足跡が男のものと酷似しているという。
捜査関係者によると、田崎さん夫妻の事件を捜査する過程で「外国人に家に入られた」との別の被害を確認し、住居侵入容疑で男の逮捕状を取った。周辺を捜していたところ、白石さんが見当たらないとの通報があり、浴室で遺体を発見。居間で大量の血痕が見つかった。その後、近くの住宅で包丁を振り回して大声でわめく男が手首を切り2階から転落した。
田崎さん夫妻の死因は失血死で、いずれも上半身に深い刺し傷や切り傷があった。白石さんとみられる女性らが死亡した現場は、秩父鉄道石原駅の北数百メートルの住宅街で、田崎さん宅は線路を挟んで駅の南側にある。〔共同〕