【ニューヨーク=河内真帆】米有力ブランドのラルフローレンは29日、創業者でチーフデザイナー兼最高経営責任者(CEO)を務めてきたラルフ・ローレン氏が11月にCEO職を辞任すると発表した。後任にはファストファッション大手ヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)やギャップ傘下のオールドネイビーの幹部を務めたステファン・ラーソン氏が就任する。
ローレン氏はデザイナーとして続投する。「ラーソン氏は世界的な視点を持ち込んでくれるだろう」とコメントした。同氏はH&Mで世界的な店舗展開を推進した後、ギャップに移籍。直近ではオールドネイビーのトップとして同ブランドの売上高拡大を実現した。
ローレン氏は1960年代にネクタイのデザイナーとして業界に入り、ポロシャツなど紳士物や女性物も手掛けた。自社ブランドについて、消費者に「米国東部の富裕層のライフスタイル」のイメージを植え付けることに成功した。ただ最近はドル高の影響で海外事業がふるわず、株価も低迷が続くなど事業のテコ入れが必要となっていた。