和風調味料を手掛ける久原本家グループ本社(福岡県久山町、河辺哲司社長)は海外で和食を担う人材育成に乗り出す。伝統的な和食を文化として伝えるためで、来年夏にもベトナムに和食レストランを出店するのに合わせる。調味料などの世界展開を進める上で、文化としての和食を広める。
久原本家が海外に進出するのは初めて。国内では今後、人口減が進むことを見込み、継続的な成長のためにアジアなどの市場取り込みを目指す。レストランは、高島屋の子会社で商業施設運営の東神開発が参加するホーチミン市の「サイゴンセンター」内に開く。運営する現地法人を月内にも設立する。
店舗は70席程度で、現地のアッパーミドル層を対象とする。料理人や接客スタッフを現地で30人ほど雇用する計画だ。採用後は日本で和食文化や接客の流儀を教育する。和食を現地に根付かせるためには、日本人料理人を派遣するだけでは足りないと判断した。
海外展開については、無添加のだしなどが国内の都市部で好評の「茅乃舎(かやのや)」のブランドを使うかどうかなど詳細は今後詰める。