【NQNニューヨーク=横内理恵】5日のニューヨーク外国為替市場で円相場は4日続落し、前日比20銭円安・ドル高の1ドル=121円70~80銭で取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)による年内の利上げ観測の強まりを背景にドルが買われやすい地合いが続いた。
イエレンFRB議長が4日の議会証言で12月の利上げの可能性が十分あるとの見方を示した。5日はアトランタ連銀のロックハート総裁なども12月利上げに向けた環境が整っていくとの予想を示した。債券市場では金融政策の影響を受けやすい2年債などを中心に利回りが上昇しており、日米金利差の拡大を背景とした円売り・ドル買いが優勢だった。
6日発表の10月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数などの底堅い回復が続けば、利上げの可能性が一段と高まるとしてドル買いを進める参加者もいた。
ただ、円売り・ドル買いの勢いは限定的だった。朝方発表の週間の米新規失業保険申請件数が1万6000件増の27万6000件となり、26万件前後との市場予想を上回ったことが円の買い戻しにつながった。
この日の円の安値は121円91銭、高値は121円52銭だった。
円は対ユーロで3日ぶりに反落し、前日比40銭円安・ユーロ高の1ユーロ=132円40~50銭程度で取引を終えた。ユーロが対ドルで上げた一方で、円は対ドルで下げたため、円安・ユーロ高となった。
ユーロは対ドルで3営業日ぶりに反発し、前日比0.0020ドル高い1ユーロ=1.0880~90ドル程度で終えた。米欧の金融政策の方向感の違いなどから前日に約3カ月半ぶりの安値を付けるなど、足元でユーロ安・ドル高が進んでいた。あすの米雇用統計を控えて、利益確定や持ち高調整のユーロ買いが入った。
ユーロの高値は1.0898ドル、安値は1.0858ドルだった。