映画「男はつらいよ」シリーズで渥美清さんが演じる寅さんのふるさととして有名な東京都葛飾区柴又で7日、ロケ地となった国内外12地域の観光関係者などが参加して交流を図る初の「寅さんサミット」が開かれた。
開会式会場となった柴又帝釈天(題経寺)周辺には、大勢のファンが詰めかけ、式では山田洋次監督が「すてきな行事として続き、定着することを願っています」と述べた。ロケ地となった各地の風景の価値や魅力を守り「日本の原風景を後世に残す」との共同宣言が発表された。
葛飾区や地元商店街などでつくる「寅さんサミット実行委員会」が主催。ロケ地は北海道網走市から那覇市まで全国に広がっており、ゆかりの各地域が集結することによって、寅さんやロケ地の魅力を発信できると構想し、約200の地域に呼び掛けた。今回参加は12地域で、来年以降も参加地域を増やしながら開催する計画が持ち上がっている。
帝釈天参道に軒を連ねる飲食店では、映画が上映されていた頃に出していたメニューがサミットの期間中だけ復活。寅さんの好物が入った「寅さん御膳」など、かつての情緒を味わえる。
サミットのために上京したという那覇市の自営業、山城辰雄さん(52)はシリーズ48作中30作以上見たといい、「やっぱり寅さんは人柄が魅力。映画に登場する昔の風景は今とは違い、懐かしく感じる」と話していた。〔共同〕