大型ディスプレーにMOMO2号機が炎上する様子が映し出され、驚く観客=2018年6月30日午前5時半、北海道大樹町のパブリックビューイング会場
歓声は一瞬で戸惑いに、そして悲鳴に変わった――。北海道大樹町のパブリックビューイング(PV)会場。打ち上げ成功を期待して多くの人が集まったが、大型ディスプレーに炎上するMOMO2号機の姿が映し出された。
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笹原俊明さん(68)、清笑さん(62)夫妻は美唄市の自宅を前日の夕方6時に出発。PV会場に夜11時に到着し、打ち上げを待ったという。「打ち上がったら食べようと思っていた」と赤飯のおにぎりを握りしめていた俊明さんは「悲しいの一言」。それでも「北海道を明るくしてくれるインターステラテクノロジズ(IST)のみなさんの努力が、いつか報われるときが必ず来ると信じています」と前を向いた。
宇宙服風の衣装などを手作りして、これまで会場を盛り上げてきた帯広市の上田茂樹さん(55)は「今回は100%打ち上がると思っていたのに……」と意気消沈した様子。妻の紀恵さん(47)は「次回はもっとパワーアップした衣装で臨みます」と話した。
「ショックで言葉が出ない。周りもみんなそうだった」と話すのは、大樹スペース研究会の福岡孝道会長(70)。3日前に発射場を訪れた際には、ISTのエンジニアはみな落ち着いた様子で仕事をしていたといい、「まさかこんな結果になるとは……」とぼうぜんとした様子だった。
それでも、地元の大樹町で宇宙を目指しているISTへの思いは変わらないといい、「僕らはずっとこれからも彼らを応援していかなければという気持ちを、あらためて強くした。今回のことをばねにして成長、前進してほしい」と力強く話した。(田之畑仁)