日本大学の男性名誉教授(77)が指定暴力団山口組の元幹部から2千万円を借り、未返済であることが9日、日大への取材で分かった。日大は名誉教授が非常勤講師として担当する大学院法学研究科の授業を休講とし、交友関係などの詳しい調査を始めた。
9日記者会見した日大の池村正道法学部長は「世間を騒がして遺憾だ。法学部として改めて聴取をして、厳正な処分をしたい」と述べた。日大は10日に名誉教授から事情聴取し、同日にも非常勤講師を解雇する方針。
日大によると、報道機関からの指摘を受けて名誉教授から聞き取りをしたところ、約10年前に知り合いだった山口組の元幹部から事業資金の名目で2千万円を借り、返済していないことを認めたという。
日大の担当者は会見で、名誉教授について「事実を認めたが、悪い(ことをした)という認識は希薄に見えた。社会的認識が欠如していたのは間違いない」と話した。
名誉教授は国際法を専攻し、2008年に定年退職。その後は非常勤講師として法学研究科で英米法などの授業を担当していた。