茨城、栃木、群馬の3県は、各県の農産物をコンテナに混載し輸出する実験を始めた。東京港を出港し、23日にマレーシアに到着する。船便は航空便よりも割安だが、輸送に時間がかかるという課題があった。コンテナ内部の気体や温度を調整し、最適な輸送方法を探る。
栃木県からはナシ、イチゴ、トマトなど6品目、茨城県からはレタス、ミズナなど7品目、群馬県からは長ネギ、シュンギクなど3品目が対象。窒素ガスで農産物の呼吸を抑える「CAコンテナ」と従来のコンテナを2台に合わせて225キログラムを積み込んだ。
船便は航空便に比べ輸送費を3分の1から5分の1程度に抑えることができる。各県では今回の実験で鮮度などに問題が無いことが確認できた農産物から、輸出の際の輸送手段を空路から海上に切り替える考え。
3県では6月と9月に常陸那珂港(茨城県東海村、ひたちなか市)のコンテナ貯蔵による農作物の鮮度保持の実験に取り組み、一部の果物や野菜には問題が無いことを確認した。9月には群馬県主導でシンガポールにトマトやナシを船便で運び、そろって現地で試験販売するなど各県産の農産物の輸出拡大に取り組んでいる。