北京市における客を乗せた自動運転実証実験始動セレモニーが10日、北京経済技術開発区の百度Apollo Parkで開催。インターネット大手の百度は北京で、自動運転タクシーサービスの提供を正式に開始することを発表した。市民は百度マップや自動運転開放プラットフォーム・Apolloで自動運転技術を搭載したタクシー「Apollo Robotaxi」を予約できる。システムが予約状況に基づいて調整し、試乗体験者が選出される。第一陣の試乗体験者には既に確認メッセージが送信されており、間もなく実際の体験が始まる。北京日報が伝えた。
客が乗車すると、運転席に座っているセーフティドライバーが、「こんにちは。私はこの車のセーフティドライバーです」と挨拶してくれる。10日に行われた小規模の試乗体験では、後部座席に座った乗客がパネルに表示された「走行スタート」をタップすると、車が走り出した。走行中、セーフティドライバーは両手をずっと膝の上にのせたままで、実際に操作することはなかった。
車両が実証実験向けに開放されている道路に入ると、乗客の前にあるパネルにスタート地点とゴール地点、現在走行中の道路の法定速度、実際の走行速度、通った道、これから通る予定の道、車両に搭載されているレーダー・カメラが捉えている歩行者、自転車、三輪自動車、自動車、トラックなどの道路環境の3D情報が表示される。遠くの車両の情報も識別できるほどの精度だ。
道路脇にデリバリー配達員のバイクが止っているやや狭い道に入ると、自動運転タクシーは速度を落とした。そして、広々とした道路に入ると、また速度を上げた。赤信号に差し掛かると、自動でそれを察知し、ゆっくりとブレーキをかけた。信号が青に変わると、前の車について進み始め、ゆっくりと曲がった。スタート地点の「Apollo Park」からゴール地点の「世盟控股」に着くまでの間、セーフティドライバーが操作することは1回もなく、全行程が自動運転だった。通過する交差点に路車協調デバイスが設置されていれば、車両は事前に信号の情報を取得し、赤信号の待ち時間がパネルに表示されるという。
北京で初めて自動運転タクシー・Robotaxiの体験をスタートさせた企業である百度は、第一陣として自動運転車40台を投入する。それら車両は今後、客を乗せた自動運転実証実験のために、北京で自動運転車向けに開放されている地域を走行する。現在、実証実験のために北京で開放されている道の長さは合わせて約700キロで、亦荘、海淀、順義の生活圏、商業圏などのタクシー乗降場100ヶ所近くをカバーしている。北京は、中国全土で開放されているエリアが最も広く、道の長さが最も長い都市となっている。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年9月14日