【マニラ=河浪武史】オバマ米大統領は18日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)での民間経営者との会合で講演し「環境事業への投資拡大で経済成長を実現できる」と述べ、官民挙げて地球温暖化対策に取り組むべきだと主張した。「地球を守るためには野心的な合意が必要」と強調し、温暖化対策を巡る11月末からの国際会議で米国が枠組みづくりを主導する考えも示した。
オバマ氏の講演はAPEC首脳会議を控えてマニラで行われ、アリババ集団の馬雲(ジャック・マー)会長ら企業経営者を中心に約800人が参加した。「地球温暖化対策は政府の取り組みだけでは実現できない」と訴え、民間企業の協力を求めた。その上で「太陽光発電など再生可能エネルギーの導入は、投資や雇用を拡大する好機となる」と強調した。
2020年以降の地球温暖化対策の次期枠組み(ポスト京都議定書)は、11月30日からパリで開く第21回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)が交渉期限だ。米政府は温暖化ガスを「25年までに05年比で26~28%削減する」との目標を同条約事務局に提出済みで、任期終盤を迎えるオバマ氏は、地球温暖化への取り組みをレガシー(政治的な遺産)としたい思惑もある。