笹子トンネルの事故から3年になるのを前に、事故で亡くなった森重之さん(当時27)の両親が初めて取材に応じた。父親(64)は「重之の死はインフラの老朽化の警鐘になった」と話し、事故を今後の教訓にするよう訴えた。
茨城県守谷市の実家で暮らしていた重之さんは2012年2月、東京都千代田区のシェアハウスへ引っ越し、シェアハウスの仲間とワゴン車で旅行中に事故に遭った。母親(62)は「新しい生活をすごく楽しんでいるようだった。だけど短い時間で終わってしまった」と涙ぐむ。
家族思いの性格だった重之さん。事故が起きた翌週には、重之さんが予約したレストランで家族4人で食事をする予定だったという。
遺族が中日本高速道路(名古屋市)に損害賠償を求めている訴訟で、役員らは天井板崩落は予見できず過失責任はないと主張している。父親は「きちんと点検していれば、天井板が落ちてくるような事故は起きなかったはずだ」と、責任を認めない同社の姿勢に憤りを示した。〔共同〕