【ジュネーブ=原克彦】米マクドナルドなど国際サッカー連盟(FIFA)のスポンサー5社は1日、汚職事件が相次いだFIFAに対し、改革の状況を外部から監督できる仕組みを設けるよう要請する共同声明を発表した。FIFAは2日からの理事会で改革委員会が提出した運営改善案を検討する予定で、事態の改善に向け圧力を一段と強めた。
ビール世界最大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ベルギー)、米コカ・コーラ、独アディダス、米ビザも声明に名を連ねた。各社がそれぞれに改革の加速や会長の辞任を求めたことはあったが、共同で声明をまとめたのは異例だ。
声明で5社はFIFA理事会に対し、「前向きな変化を受け入れるよう促す」と強調。「改革は外部の監督を受けることを条件にすべきだと思っている」とし、汚職撲滅を徹底するよう働きかけた。
FIFAにとってスポンサー企業からの収入は放映権に次ぐ重要な資金源。5社はワールドカップ(W杯)などのイメージ悪化で宣伝効果に悪影響が出ることに危機感を抱いている。
FIFAの汚職事件では5月に米司法省が副会長ら関係者14人を起訴したほか、ブラッター会長もスイス検察当局の捜査を受けている。