【上海=土居倫之】中国人民銀行(中央銀行)は9日午前、人民元売買の基準となる対ドルの為替レート「基準値」を約4年4カ月ぶりの元安水準に設定した。中国の外貨準備の減少や輸出の不振を背景に、市場で元売りが増えているためだ。
同日の基準値は前日比0.1%安の1ドル=6.414元だった。9日午前の上海外国為替市場で、人民元は一時1ドル=6.4262元と約3カ月半ぶり安値水準を付ける場面があった。
中国の11月の外貨準備は3兆4382億ドル(約423兆円)と2年5カ月ぶりに3兆5000億ドルを下回った。人民銀は「人民元が下落を続ける基礎的条件はない」と強調しているが、市場では元安圧力が高まっており、人民銀の為替介入の効果は限られている。