大村智・北里大特別栄誉教授(80)の出身地、山梨県韮崎市では11日未明、市庁舎の大型スクリーンに授賞式の様子が中継された。ノーベル賞のメダルが授与されると、集まった約200人から大きな拍手が湧き起こり、クラッカーが鳴り響いた。「ストックホルムに届くように」と全員で万歳三唱をした。
「大村先生は山梨県や韮崎市に、夢と希望を与えてくれました」と内藤久夫韮崎市長は喜びをかみしめた。
大村さんが卒業した山梨大の関係者も市庁舎の会場に。職員の大久保あずみさん(23)は「大学の知名度は高くないけれど、ノーベル賞受賞者を輩出できる土壌があることを学生には誇りにしてほしい」と感慨に浸っていた。
大村さんと同じ放線菌の研究をしているという4年生の東山優樹さん(22)は「世界的に評価されているのを見て、やりがいを感じた。自分も何か人の役に立てるような研究をしたい」と話し、勇気づけられた様子だった。〔共同〕