【パリ=久門武史】シリア内戦でアサド政権と対立する反体制派の主な勢力を集めた会議が9、10両日、サウジアラビアの首都リヤドで開かれ、統一組織をつくり政権側と協議に入ることで合意した。同時に、政権移行の開始時点でアサド大統領が退陣するよう求めた。ただ会議には有力な反体制派が参加しておらず、実効性は不透明だ。
シリア内戦の終結に向けては、米欧ロや中東の関係国が11月、年内にアサド政権と反体制派の双方が加わる国連仲介の協議を始める方針を確認。6カ月以内に暫定政権を発足させ、18カ月以内に選挙を実施することを目指すとした。
反体制派の課題は、分立する各勢力の結束だ。リヤドの会議では統一の交渉団をつくることで一致したが、誰がメンバーになるかは不明だ。出席した反体制派のうち有力な武装組織「アフラール・シャーム」は10日、提案が通らないなどとして退席を表明したと伝えられた。
AFP通信によると9、10両日の会議には約100人が参加。主催したサウジは、シリア北部の広範囲を実効支配するクルド人勢力を招かなかった。国際テロ組織アルカイダ系の「ヌスラ戦線」、過激派組織「イスラム国」(IS)も排除した。一方で、親アルカイダの「アフラール・シャーム」や、「イスラム軍」は招待された。
サウジのジュベイル外相は10日、アサド氏の去就について「協議で退くか、力で排除されるかだ」と述べ、重ねて退陣を迫った。