嵯峨野観光鉄道は10日、客車に石炭ストーブを設置した「ストーブ列車」の運行を始めた。定期運行する列車としては関西初の取り組みで、年内は29日まで運行する。珍しい車両を導入することで、観光客が減りやすい冬季の集客をテコ入れする。同鉄道は2015年度の乗客数を、前年度比5%増の115万人を目標にしている。
石炭をくべる「だるまストーブ」が据え付けられた「ストーブ列車」の運行を開始した
「暖かいし炎も見える」。10日午前、京都・嵐山のトロッコ嵯峨駅からストーブ列車に乗り込んだ乗客は、客車の中央部にあるだるまストーブを見つけると声を上げた。同鉄道は紅葉シーズンが終わると乗客が減る傾向にある。西田哲郎社長は「(沿線の)四季折々の魅力を感じてもらいたい」と同列車を冬の目玉に育て、観光客を呼び込む考えだ。
既に同列車を運行している青森県の津軽鉄道から、運行ノウハウを学んだ。今年3月に試験運行し、同日から本格運行を始めた。16年3月1~15日にも運行する。