北海道開発局は15日、台湾で日本観光情報サイトを手掛けるジーリーメディアグループ(東京・渋谷)と提携し、道産品の販路拡大に乗り出すと発表した。同社は2016年1月に台湾に初の実店舗を開設する。サイトで道産品を紹介、現地店舗で販売して消費者に訴求する。開発局や道内企業などは来年1月に道産食品に特化した電子商取引(EC)サービスも始める予定。ネットを駆使した市場開拓を加速する。
ジーリーが運営する台湾人向けの情報サイト「ラーチーゴー!日本」の月間閲覧数は420万回に上り、日本好きの台湾人に高い人気を誇る。同社のフェイスブックも多くのファンを抱えることから、開発局はこうしたサイトを通じて北海道の最新トレンドを発信。口コミによる話題の拡散にも期待する。
同社は来年1月に台湾・台北市内に日本の雑貨などを扱う店舗を構える。店内の一角に道産品の売り場を設け、当面は北海道ファンでも知らないようなニッチ商品を並べて特色を出し、道産品の魅力を伝える。ワインゼリーやガゴメ昆布の加工食品、海鮮がゆなどを想定。20~30代女性に狙いを定める。
道内企業が利用しやすいように商品の仕入れや販売はジーリーが請け負う。同社がまとめて商品を購入するため、企業にとっては為替や代金回収のリスクを減らせる。
商品輸送は開発局などが手掛ける「北海道国際輸送プラットホーム(HOP)」の仕組みを活用する。ヤマトグループの物流網によって道内から台湾まで空輸する。HOPは輸送費が高いとの指摘もあり、利用実績は伸び悩んでいる。開発局には今回の台湾向けのサービスで利用を底上げしたい思惑もある。
開発局は来年1月にシンガポールと香港向けのECサービスを開始する。台湾へのサービス拡大も視野に入れており、ジーリーとの事業効果を踏まえて判断する。