三菱重工業や日立GEニュークリア・エナジー、東芝などは16日、遠隔から操作できる除染ロボットを開発したと発表した。福島第1原子力発電所1~3号機の2~3階部分で除染作業をする。2016年度以降に現場に投入する予定。溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しの準備などに向け、放射線量を低下させて作業員が上層階で調査や補修などができるようにすることを目指す。
国際廃炉研究開発機構(IRID)と東電も開発に加わった。千葉市内で同日、ロボットの走行や除染作業の試運転の様子を報道陣に公開した。ロボットがゆっくりと除染地点まで走行し、地面を専用ノズルで吸引。細かい金属粉を噴射し、汚染表面を削り取る作業の試験も実施した。
仮設した大型昇降機で2階相当の高さまで昇る試験も行った。3社のノウハウを持ち寄り、装置を小型化したほか、台車を共通化した。
福島第1原発1~3号機の2~3階は現在、放射線量が毎時100ミリシーベルト以上の地点もあるという。将来、作業員が作業する場所の放射線量を同3ミリシーベルト以下とすることを目標とする。既に1階では各メーカーが開発したロボットが除染作業をしている。