三菱商事は18日、垣内威彦常務執行役員(60)が来年4月1日付で社長に昇格する人事を固めた。小林健社長(66)は代表権のある会長に就く。小林社長は小売りや食品など非資源分野の利益を大きく伸ばした。社長就任から5年がたち、安定的な収益基盤の確立にメドがついたことから後進に道を譲る。
三菱商事の次期社長に決まった垣内威彦常務執行役員(右)と会長になる小林健社長(18日午後、東京都港区)
小林社長は液化天然ガス(LNG)や原料炭など資源事業の強化に加え、食糧や小売り、電力など非資源事業の収益倍増に着手。収益源が偏らずに幅広い分野で利益を上げられる体制を築いた。東南アジアなど新興国で事業を拡大したほか、三菱自動車の再建支援やローソンなど小売事業の強化などにも取り組んだ。東日本大震災の復興支援にも尽力した。
垣内氏は生活産業グループのトップで畜産などの食糧や食品部門が長い。資源・エネルギー価格の長期低迷が見込まれるなかで、全社的にどう収益力を高めるかが課題になる。6月の株主総会後に代表取締役に就く。
垣内 威彦氏(かきうち・たけひこ)79年(昭54年)京大経卒、三菱商事入社。10年執行役員、13年から現職。兵庫県出身。